CDHS  ビッド練習帖 ( ニル をカバーする)  SDHC
その1

  1. パートナーが ニル をビッドしました。
    あなたが カバーします。
    オープニング・リードには,どの札を選びますか ?
     (答)
     J
    ここでは,A ではなくJ を打ちます。
     (理由)
      ハートとダイヤモンドが弱い手なので,クラブを打ち続けて,パートナーに H, D の絵札を吐き出させます。 左オポは,それを SA で ラフ しようと待ち構えています。
      この状況では,通常とは逆に,シーケンスの 下から 打ち続けます。
    これにより,左オポは,ラフ の タイミング を失います。

    North East South West
    3 5 NIL 3
    4 5 K
    2 3 5
    6 7
    4 J Q K A

     
     
     
     
  2. パートナーが ニル をビッドしました。
    いくつビッドしますか ?
     (答)
     
    普通ならば 4 をビッドする手です。
     (説明)
     しかし,この場合に 4 をビッドすると, ニル をカバーできても, King を取られて,自分がセットされる危険があります。
    今は, ニル を カバー できれば,それで十分です。
    トリックを稼ぐ必要はありません。

    North East South West
    NIL 3 ?
    4 5 7 A
    3 7 K
    4 5 K
    6 J A

     
     
     
  3. パートナー (North) の ニル を あなた (South) がカバーします。 その方針は ?
     (答)
    HK, A を この順に取り,DQ を 出したところ,West が DA で取って,D2 を 打ち返してきました。そこで CA を取ると, パートナーからは CK, 右オポからは CQ が出ました。この後,どうしますか ?
     (答)
     2 を出します。
     (実戦では)
    CJ から順に打ち,4 枚目の C2 で オウン・セットとなりました。低いビッドをしているオポが C を ラフ して くれるはずはありません。 North のクラブは 5 枚 (C3 5 7 8 K) でした。

    North East South West
    NIL 1 7 2
    2 4 10 K A
    K A
    Q K
    2 9 J A

     
     
     
     
     
  4. パートナーが ニル をビッドしました。
    いくつビッドしますか ?
     (答)
     
    スペード 5 枚 + ハート 5 枚の強い手なので,ハートをエスタブリッシュして,合計 5 トリックは 取れるでしょう。 でも,今は,「いくつ取れるか」 よりも,カバー専念してビッドを考えます。
      クラブを 2 回 ラフ と HA, SA で 4 と数えます。
    プレイに入ったら,C を ラフ して,直ちに SA, 9 を打ちます。
     
    North East South West
    NIL 4 ?
    3 5 7 9 A
    3 5 9 J A
    2 4 Q
    ――

     
     
     
     
     
  5. パートナーが ニル をビッドしました。
    いくつビッドしますか ?
     (答)
     
    普通ならば,D の ラフ を考慮に入れて, 3 をビッドする手です。
      しかし,今は状況が違います。D に 低い札を持たないオポが D を打ってくれるはずがありません。
    この手の場合には,HA, CA で 2 トリックを確実に取ります。
     (実戦では)
     ここで 3 をビッドしました。
    オープニング・リード C3 を右オポが CK で取ったので, これを CA で取らずに,見送りました。
    続いて H4 を HA で勝ち,CA を 出したところ,これを左オポに ラフ されました。
      結局,HA の 1 トリックしか取れず, ニル はメイクしたものの, 自分はセットされ,+100 − 30 = 70 点となりました。本来ならば,120 点取れたはずです。
      つまり,この手では,ニル の セット ではなく, 自分自身の セット の問題だったのです。
     (補足)
     このように,パートナーが ニル をビッドした場合には,ビッドの考え方が変わることに注意します。
     [教訓]
     パートナーが ニル をビッドした状況では,
    1. バグを気にしない。
    2. 確実に取れる トリック だけを (少なめに) ビッドする。
     (補足)
     実際には,カバー側のバグを気に掛けるプレイヤーが非常に多い。しかし, それは誤りである。カバー側は,安全にカバーすれば,それでよい。
     [教訓]
     カバー側に,バグの数を決める権利は無い。
    North East South West
    NIL 4 ?
    5 8
    2 3 5 10 Q A
    2
    4 10 J A

     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
  6. パートナーが ニル をビッドしました。
    いくつビッドしますか ?
     (答)
     
    普通ならば,4 をビッドする手です。
    しかし,今は状況が違います。
    パートナーが ニル をビッドしています。
    合計 ビッド を 12 に上げる必要はありません。
    ニル で 100 点取れば,それで十分です。
      それに,H に 低い札を持たないオポが H を打ってくれるはずがありません。
     (実戦では)
     ここで 4 をビッドしました。
    DA は,ボイドの North の手で ラフ され, 結局,3 トリックしか (SQ, SK, A ) 取れず,−40 + 100 = 60 点 となりました。ビッドを 3 にしておけば,130 点 のはずでした。
     [教訓]
     パートナーが ニル をビッドした状況では,バグを気にせず,安全なビッドを心がける。

    North East South West
    5 NIL 3 ?
    5 Q K
    3
    5 7 9 10 J Q A
    8 A

     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
  7. 2人が ニル をビッドしました。
    あなたは East に居て,North の打ち出し 2 を K で 取ったところ, パートナー West からは Q が出ました。 この後,どう プレイ しますか ?
     (答)
     K, A を取り,Q を打ちます。
     (説明)
    A が South の手にあることは,ほぼ 明らかです。 しかし,直ちに DJ を打つと,C を 打ち返されたときに,困ります。
      なぜなら,D を打ち続ける羽目に陥って パートナーを D で セットする可能性が高いからです。これを避けるために, C をショートにしてから HQ を打ち, もしも HQ が勝てば,それから DJ を 打って,リードを South に入れます。
     (放り込み)
     これは,ブリッジで「スローイン」と呼ばれるテクニックです。 このようにして,できる限り パートナーの ニル を カバー します。
     (明らか ?)
     普通ならば,あなたの K を South は A で取ったでしょう。 でも,今は North も ニル をビッドしたので,South は,カバーのために A を温存する必要があります。
     (プレイの速さ)
     このような判断ができるためには,ある程度 ゆっくり プレイする必要があります。

     N-S 223 (3)  E-W 292 (2)
    North East South West
    NIL 4 5 NIL
    4 8 9 K
    Q
    3 4 5 10 J K
    K A

     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
  8. パートナーが ニル をビッドしました。
    いくつビッドしますか ?
     (答)
     
     (説明)
     ダイヤモンドで バグを 沢山引かされるかも知れませんが,確実に取れる 4 を ビッドします。
     (実戦では)
     4 をビッドして,8 トリック ( バグ 4 ) を取りました。
     (バグに不満 ?)
     この結果を,不満に思ってはいけません。
     [教訓]
     カバー側がいくつバグを取るかを決めるのは, オポの権利である。 なぜなら,カバーが全てに優先するからである。

     N-S 60 (0)  E-W 52 (2)
    North East South West
    NIL 3 ?
    4 5 9 J K
    6 J
    5 9 J Q K
    3

     
     
     
     
     
  9. パートナーが ニル をビッドしました。
    あなたが カバーします。
    North のオープニング・リードは H2 です。 これに H7 を出したところ,左オポからは H6, パートナーからは H5 が出て,勝ちました。次に,どの札を打ちますか ?
     (答)
     2
     (説明)
     ハートやクラブを打った場合,ビッドが 1左オポは, それをカバーするカードを出さないでしょう。
    したがって,ハート,クラブは危険です。
    ここでは, を打ち,次の の ラフ を 狙います。
     (補足)
     仮に,ハートを安全に続けたとしても,結局は,2 を 打つ羽目になります。
     [教訓]
     カバーの 一つ先 を考えよ。
     (補足)
     2 のような打ち出しに対して,いきなり K をかぶせるのは 損です。とりあえず 7 をかぶせます。

    North East South West
    3 5 1 NIL
    3 6 7 8 10 K
    7 8 K
    2
    2 5 6

     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
  10. パートナーが ニル をビッドしました。
    あなたが カバーします。 いくつ ビッド しますか ?
     (答)
     
     (実戦では)
     5 をビッドして,6 トリック取りましたが,クラブで パートナーの ニル をセットしました。
     (問題点)
      に低い カードを持っていることが問題です。 クラブを打ち続けると,ニル をセットするかもしれません。
     (対策)
     自分からクラブを打たないように注意する必要があります。 それには,A でやめて に切換え, を ラフした後, スペードで リード を 取らない ように気をつけます。すなわち, SK  を SA  に負け SJ  を SQ  に負ける必要があります。
    ビッドを 5 にすると,スペードで勝ちに行くので,ニル を自己セットする羽目に 陥ります。
    ビッドの段階で ここまでの 『読み』 が必要です。
     [教訓]
     低いカードを持ってカバーするときには,最後のスペードを負ける ように工夫せよ。

     N-S 41 (1)  E-W 71 (1)
    North East South West
    NIL 4 ?
    2 4 J K
    6 K
    2 6 K
    2 4 J A

     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
  11. パートナーが DNIL をビッドしました。
    あなたが カバーします。
    カバーの方針を考えて下さい。
     (答)
     スペードがブレークしたら,自分からスペードを打ちます。 そうすると 4 トリック取れないかもしれませんが,DNIL の カバー が 全てに優先します。
     (実戦では)
     この手では,3, 4  が問題のカードです。
    クラブが 左オポに ハイ・ラフ され,安全なクラブを打ち続けたところ, 左オポが ハイ・ラフ を続け,結局最後のスペードを S7  で取って, 3  のリードにより,パートナーの 5 で自己セットしました。
     [教訓]
     低いカードを持ってカバーするときには,最後のスペードを勝ってはならない

     N-S 352 (2)  E-W 329 (9)
    North East South West
    1 4 5 DNIL
    5 6 7 Q
    3 4 A
    9 K
    7 8 Q A


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