North | East | South | West |
パス | パス | ? |
―― はい,あります。
あなたのパートナー (North) は,既にパスしています。
つまり,オープンできる手を持っていません。
―― 大きく分けて,2 つ あります。ひとつは,
―― その約束は,レスポンダの手の上限が不明な場合の話です。
いまは,レスポンダの手の上限が 12 pts ということが分かっています。
ですから,三番手のオープナーは,弱い手なら,2 回目にはビッドせず,
パスします。
ゲームの可能性が無いことを知っているオープナーは,
無理して ビッドを続ける理由がありません。
したがって,最初にオープンできなかったレスポンダが,新しいスートをビッドしても,フォーシングではありません。
―― はい。同じです。パートナーが最初にパスしたことを忘れずに,互いにビッドする必要があります。
―― それは よく分かります。自分の手を見てビッドを考えるのに精一杯だと,「パス」を見落としてしまう。
でも,「パス」というのも,それ自体で意味のあるコールです。
「パス」を見落とさないようにするには,ビッド経過をよく見るしかありません。
自分が何をビッドするか決めたときに,もう一度 ビッド経過を確認するのがよいでしょう。
ビッドを慌ててする必要は無いのですから。
―― もうひとつは
―― はい。三番手では,オープンの基準を 少し緩める方が得です。
―― それは,この下の方で少しずつ説明しましょう。
緩めることに伴って,いろいろと 問題が発生するからです。
―― 割り引きオープンは,三番手だけです。
四番手のオープンについては,最後に説明します。
三番手と四番手では,考え方が かなり違います。
―― うーん。分かりにくいというよりも,実際には 話が複雑なのです。
三番手の割り引きオープンというのは,
システムに沿って一通りビッドできる人のためのテーマです。
したがって,まだその域に達していない人は,
こんなことは忘れて,一番手でも,二番手でも,三番手でも,四番手でも,
全部同じ基準でオープンすることをお勧めします。
―― その回答を,上に引用したローレンスさんにお願いすると …。
そこには,3 つのことが書かれています。
―― はい。その通りです。
今のビッド・システムは,とにかく,先にオープンした方がビッドしやすいように
できている。オープナー側に有利なシステムです。とくに,スラムがある手の場合には,これが はっきりしています。
これに対して,オーバーコールから最適のコントラクトに辿り着くのは,なかなか大変です。
これが,効用の 1 番目です。
―― そうですね。弱い手の三番手であっても,しっかりしたスートをビッドして,それをパートナーに伝えて おけば,相手のコントラクトになっても,ディフェンスが有利に進みます。これが,割り引いてでも オープンすることの効用の 2 番目です。
―― 分かりにくいかもしれません。こういうことなのです …。
あなたが三番手で割り引いてオープンした。すると,左オポがオーバーコール,続いてパートナーもビッド,
これに右オポも参戦 … 。つまり,4 人全員がビッドして競り合う … という状況です。あなたは,
もちろん,2 回目にはパスするので,あとは相手側のビッドが続きます。
ところが,あなたが割り引いてオープンしたことを,他の 3 人は知りません。
つまり,
あなたの手の強さが不明の状況で,相手側は (自分たちの手が
強いことを正しく逆算できずに) コントラクトを探すことになります。
これが,3 番目の効用です。
―― はい。その話に進みましょう。
何か … ?
―― あぁ,そのことですか(^。^)。皆さんが分かりやすいと認めれば,正式な用語になるでしょう。
英語では "Light Opening Bid" と呼びます。だから,「ライト・オープン」と言うのが普通です。
ただ,私は日本語の中に英語を混ぜて使うのが嫌いです。たとえば,「サード・ハンドだったので,
ライト・オープンした」なんて言うのは …。
「オープン」は仕方ないとしても,
なるべく日本語で表現したいのです。
そういうわけで,ここでは,「割り引きオープン」という言葉で通します。
―― そうですね。それをまず復習しておきましょう。
―― それが,オープニング・ビッドするためによく使われてきた基準です。
でも,この頃は,ルールオブ 20 を使うのが普通です。この方が,手の強さを測る方法として正確です。
―― 1 の代でオープンするかどうか判断するための 使いやすい基準です。
カードが配られたら,
5 |
A J 8 7 3 |
K J 9 5 |
Q 8 4 |
( 11 HCP ) |
―― はい,そうです。
1 の代の まともなオープング・ビッドの基準です。
―― そういうふうに言われても,ちょっと困る …。
―― 確かに,そういうふうに訊きたくなる気持ちは よく分かります。でも,この割り引きの数字をいくらまでいいか,というようには答えにくいのです。
―― ここでは,手の 形 と 内容 が とくに重要で,場合によっては,4 点引きもありうる。つまり,
どういうハンドなら割り引きオープンしてよいかということは,ハンドを見て判断する必要があるのです。
でも,ここで押し問答しても始まらないから,とりあえず
三番手では ルールオブ 18 まで割り引いてオープンしてよい.
ということにして,話を先へ進めましょう。
―― まず,普通のビッドとは,考え方が違うことに注意します。
普通のオープニング・ビッドでは,もしかしたら ゲーム や スラム があるかも知れないと期待して,ビッドを始めます。
ところが,いまの場合には,パートナーが既にパスしている。したがって,
ゲームの可能性は低い。こういう状況では,
切り札の 8 枚フィットを見つけよう
とか,
一番有利なコントラクトを何とかして見つけよう
というようなことは,諦めます。そして,無難なパートスコアのコントラクトを
見つければ,それで満足します。
弱い手で欲張るのは禁物です。
三番手の割り引きオープンで とくに注意すべきは
―― はい。確かに,上に書いたことは,オープニング・ビッド一般に当てはまります。パートナーの返事を
受けてから考え込むよりも,その前に,オープニング・ビッドするときに考える。これは,とても大切です。
そして,これは,三番手のオープンではとくに重要です。
なぜかと言うと,パートナーは 6 pts ぎりぎりの手を持っていて,
割り引きオープンした あなたが最も困るようなビッドを返してくるかも知れません。
―― はい。それが原則です。話を単純化すると,
[1] | A J 3 |
Q J 4 | |
Q J 8 5 | |
9 7 3 | |
( 11 HCP ) |
―― この手 [1] ならば, 三番手で 問題なく 1 をビッドできます。そして,パートナーから
―― そこまで言うのは言い過ぎですが,でも,それが原則です。
パートナーの返事をパスできないようなら (あるいは低いレベルで適切なビッドを返せないようなら),割り引いて オープンすべきではありません。
―― 手の形の条件としては
[2] | 9 7 |
Q J 4 | |
J 8 6 5 | |
A Q J 3 | |
( 11 HCP ) |
―― もしも 1 が返ってきたら どうしますか ?
―― 三番手のオープナーが 2 回目に 1NT をビッドするのをどう取り決めるかは,パートナーとの約束次第ですが,
ローレンスは
―― はい。その通りです。
[3] | 9 |
Q J 7 4 | |
J 6 3 2 | |
A Q J 3 | |
( 11 HCP ) |
―― はい。
何点割り引くか ということよりも,手の形が重要です。
[4] | A 9 |
Q J 4 | |
J 6 3 2 | |
A Q J 3 | |
( 11 HCP ) |
―― この場合には,オープンしないのはもったいないので, 1 オープンします。 スペードが 2 枚ですが,Ax の 2 枚なので 1 が返ってきたら,パスします。
[5]  | J 6 3 2 |
A 9 | |
Q J 4 | |
Q J 7 3 | |
( 11 HCP ) |
―― ここで 1 オープンして,1 が返ってきた場合には, どうしますか ?
―― はい。
ですから,この場合には,1 で 割り引きオープンします。
North | East | South | West |
パス | パス | 1 | パス |
1 | パス | 2/パス? |
―― ローレンスによると
North | East | South | West |
パス | パス | 1 | パス |
1 | 2 | 2 |
―― その場合には,もちろん,2 をビッドして競り合います。 この場合,あなたが割り引いてオープンしたことは, 他の誰にも分かりません。
[6] | A J 3 |
Q J 4 | |
Q J 9 6 2 | |
7 3 | |
( 11 HCP ) |
―― 2 をパスします。
―― これも,パートナーとの取り決めに属することですが,割り引きオープンを しやすくするために,
―― 上のように取り決めておけば,右の手 [7] で 1オープンできます。
[7] | 8 7 5 3 |
A J 9 6 | |
A Q 9 8 | |
3 | |
( 11 HCP ) |
―― はい,クラブは合計 6 枚しかありません。 でもパートナーは 2 の代をビッドする強さ 10 pts を持っているので, 何とかなるでしょう。
[8] | 9 |
A Q J 7 4 | |
J 7 3 | |
J 8 5 2 | |
( 9 HCP ) |
―― この手 [8] の場合,やはり パートナーから 1 が返ってくると困ります。
そこで,1 ではなしに,2 オープンします。つまり,ここでは
自分にとって都合の悪い返事 (1) が返ってくるのを防ぐために,2 の代でオープンします。
この例から分かるように,三番手のウィーク 2 オープンは,6 枚を保証しません。
[9] | A J 10 7 4 |
8 | |
K 7 3 | |
Q 8 5 2 | |
( 10 HCP ) |
―― はい。2 がレスポンダから返ってくると厳しいですが,でもハートが
5 枚と 10 pts あるはずだから,無理に 2 をビッドせずにパスします。
同じスートを リビッドするのは (ここでは 2),原則として,
割り引いていない ことを保証します。
―― やむを得ません。2 をビッドしましょう。
―― はい。
細かく場合を分ければいろいろありますが,これでひとまず終りです。
―― あっ,そうです。発生頻度は少ないですが,でもそれは重要です。
[10] | A 9 7 4 |
8 | |
K Q 7 3 | |
Q 8 5 2 | |
( 11 HCP ) |
―― はい。
―― はい。その通りです。
1 とか 1 で三番手が
オープンしたときに,問題が発生します。
| ||||||||||
|
―― はい。ですから,三番手のオープナーに対して,上の手でダブルレイズしては いけません。
(B) | A 8 4 |
Q 9 6 2 | |
J 8 | |
K 8 3 2 | |
( 10 HCP ) |
North | East | South | West |
パス | パス | 1 | パス |
2 | パス | (何かをビッド) | パス |
3 |
―― 次のビッドというのは … ?
そう うまく行けば いいのですが …。
―― その原因は,2 つあります。
(1) 1 つは,三番手オープナーが割り引いてオープンしている可能性があることです。
そのため,(A) では 通常のリミット・レイズができません。
(2) もう 1 つは,あなたが 最初にパスしているので,何をビッドしてもフォーシングではないということです。
これが (B) の場合です。
―― はい。初回にパスした人が 1 回だけのフォーシングを掛けるのが,ドルーリィというコンベンションです。
―― 条件を箇条書きにすると
(1) あなたは 最初にパスした。
(2) パートナーが 三番手で 1 (または 1) オープンした。
(3) 右オポは パスした。
(4) あなたは 3 枚以上の切り札と 10 HCP 以上を持っている。
North | East | South | West |
パス | パス | 1 | パス |
2 |
―― はい。1 回だけのフォーシングです。
―― オープナーの 2 回目のビッドを 手の強さの順序に従って書くと
(A) 2 = 割り引いてオープンした。
(B) 2 = まともなオープンだが,4 の自信はない。
(C) 2 = まともなオープンで,ハートが 4 枚ある。
(D) 4 = レスポンダがそういう手なら,確実にゲームがある。
(E) それ以外のビッド = 少なくともゲームがある強い手。
となります。
このうち,とくに (A) と (B) をしっかり押さえておく必要があります。
―― はい。まず最初に
(A) 2 = 割り引いてオープンした場合。
(A) | K Q 10 8 5 |
K 9 2 | |
10 7 | |
Q 6 3 | |
( 10 HCP ) |
North | East | South | West |
パス | パス | 1 | パス |
2 | パス | 2 |
―― 次は,
(B) | K Q 7 6 4 |
9 8 | |
A J 3 | |
K 9 6 | |
( 13 HCP ) |
North | East | South | West |
パス | パス | 1 | パス |
2 | パス | 2 |
―― その通りです。3 番目は
(C) | K J 10 5 3 |
Q J 7 2 | |
A Q | |
5 3 | |
( 13 HCP ) |
North | East | South | West |
パス | パス | 1 | パス |
2 | パス | 2 |
―― もしもハートが 4 枚あれば,ハートを切り札に選ぶ方が良いので,
手の強さに応じて,3 または 4 をビッドします。
[注:一般に 5‐3 フィットと 4‐4 フィットが共存する場合には,4‐4 の方を
切り札に選びます。5 枚のサイドスートは,エスタブリッシュによりトリックを稼ぎます。]
4 番目は
(D) | A J 9 7 5 |
10 | |
A Q 7 6 | |
K J 3 | |
( 15 HCP ) |
North | East | South | West |
パス | パス | 1 | パス |
2 | パス | 4 |
―― ごたごたするので,ここでは省略しましょう。
2NT 以上のビッドは,とにかく,最低でもゲームのある強い手を示します。
North | East | South | West |
パス | パス | 1 | パス |
2 | パス | 3 |
―― はい。普通ならそうです。でも今の場合には,2 がその役目を
引き受けています。
ですから,3 は全く別の意味を持ちます。
これは,スラムを狙うような強い手を意味します。
―― 3 は,キュービッドの開始を要求します。
したがって,レスポンダは Ace (または King) のあるサイドスートを 4 の代でビッドします。
無ければ,4 をビッドします。
―― はい。
―― 一度に全部なんて無理ですよ。さっきも言ったように,(A) と (B) の場合が 大切ですから,まず,これがきちんとできるようになって下さい。
―― はい。上の説明では,分かりやすいように
(A) 割り引いてオープンした.
(B) 割り引いていない.
というように分けましたが,実際には,これは 正確ではないのです。
―― 正確に言うと,レスポンダが最初にパスするような手の
(A) 上限でも,ゲームがなさそう。
(B) 上限ならば,ゲームがありそう。
と分類すべきなのです。
パートナーは,初回にパスしたので,せいぜい 12 pts しか持っていません。
それを自分 (オープナー) の手と組み合わせて,
「レスポンダが上限ならゲームがあるか ? 」
という判断をして,この線引きをします。
そういうわけなので,12 HCP の平らな手 [a] では,
|
|
―― では,別の言い方をしましょう。よく
もっとも,これはパートナーのオープンの判断とも
関係するから 単純ではありません。
難しそうでしたら,とりあえずは,単純に
「13 HCP ない/ある」で (A) / (B) を
判断してみましょう。
North | East | South | West |
パス | パス | 1 | パス |
2 |
―― それもさっきと同じです。念のために繰り返すと
(A) 2 = 割り引いてオープンした。
(B) 2 = まともなオープンだが,4 の自信はない。
(D) 4 = レスポンダがそういう手なら,確実にゲームがある。
(E) それ以外のビッド = 少なくともゲームがある強い手。
です。
―― 2 は,分類の (E) に入ります。
リバースなので,ゲームを保証します。
―― はい。その通りです。
―― はい。その通りです。
この埋め合わせを うまくつけることはできませんが,
◇ 弱い手ならば,1,1 を パスする.
◇ 11 HCP 以上のバランス・ハンドならば,2NT.
◇ 10 HCP 以上で 6 枚以上のクラブなら 3.
といったところです。この他に
◇ 2 をビッドして,さらに 3 をビッドする.
というのもありますが,メジャー・スートの切り札 3 枚のサポート無しで このようにビッドするのは危険です。
―― これには,2 通りの考え方があるようです。
(1) ドルーリィは Off となり,2 は自然なビッドとなる。
(2) 2 がビッドできる限りは,ドルーリィが使える。
どちらにするかは,パートナーとの打ち合わせ次第ですが,使える限りは使うという (2) の
方が有利でしょう。
―― はい。次の 3 通りだけです。
|
|
|
North | East | South | West |
パス | パス | 1 | 2 |
X |
―― その場合,ドルーリィは使えません。
そこで,ダブルレイズ と キュービッドを使い分けます。
最初に出てきた (A) のタイプ (4枚) では 3 をビッドします。
また,(B) のタイプ (3枚) では,3 の代でキュービッドします。
|
|
―― 三番手のオープンに対して ドルーリィを使う理由は,2 つありました。
―― 四番手のオープナーは,割り引きオープンする必要がありません。
―― こちらの理由は,三番手オープンでも四番手オープンでも同じです。
レスポンダは,何を答えても パスされる可能性があります。
フォーシングを掛けるには,ドルーリィしか手段がありません。
ですから,四番手の 1,1 オープンに対しても,
ドルーリィを使います。
なお,四番手のオープンについては,すぐ下で説明しています。
三番手の場合と比べて,考え方は だいぶ違います。
―― 2 を人工的なビッドとして使うのがドルーリィですが,
だったら,2 も 人工的なビッドとして使おう,というのが,「2 通り」の意味です。
すなわち,
切り札が 4 枚の (A) では,2
切り札が 3 枚の (B) では,2
をビッドする … というのが,Two-Way Drury です。
―― はい。それは,無し になります。その代りに 2NT を使います。
つまり
(B) 2NT = まともなオープンだが,ゲームの自信はない。
という意味です。この NT も 人工的なビッドであって,ノートランプを志向しているわけではありません。
―― はい。オープナーが割り引いていないし,合計 9 枚の 切り札があるので,3 はメイクします。 心配する必要はありません。
―― 場合によっては,オープナーが自分でゲームに行けると判断できるように
するためです。
一番手 / 二番手のメジャー・スート・オープンに対して,
切り札 (A) 4 枚
と (B) 3 枚
では ビッドの仕方を変えることを
思い出して下さい。
その理由は,前にも説明したように,
ダミーに切り札が 4 枚あると,
1 トリック余分に取れるからです。それと同じように,ここでも区別をつけます。
K Q 9 5 3 |
A J 3 |
5 |
Q J 7 5 |
( 13 HCP ) |
|
|
―― はい。四番手では,どういう方針でオープンするかが重要です。
オープニング・ビッドの方針は
(1) 一番手,二番手
(3) 三番手
(4) 四番手
この 3 つで だいぶん違います。
三番手の場合には,まだビッドしていない人が ひとり残っています。
左オポです。この左オポが もしかして強い手を持っているかも知れない。だから,少し弱い手でも
先手を打って割り引きオープンをします。もちろん,それがダウンする危険はあるのですが,でも,
ブリッジというのは,先にビッドした方が有利なゲームです。
―― ところが,四番手の場合には,自分がパスすれば,そのボードは終わりです。無理して 危険なビッドをする必要はありません。
―― ほんとに良い手なら,それで問題はありません。
| ||||||||
|
―― はい。確かに普通の基準でオープンできます。
では,1 オープンした後 どうなるかを予想してみて下さい。
―― あなたのカードは,マイナー・スートに偏っていますね …。
―― 黙ってパスしていれば,パスアウトになった筈なのに,1
オープンすると,逆に メジャー・スートでコントラクトを取られてしまいます。
つまり,寝た子を起こす 結果に終わる可能性が高い。
―― ですから,この手は,普通の基準ではオープンできるけれど,メジャー・スートが少ないので,四番手ではパスします。
―― そのために「ルール オブ 15」と呼ばれる判断基準があります。
これは
―― もしも四番手のオープナーがスペードを 4 枚 持っていれば …,
A J 3 2 |
Q 6 |
K Q 9 7 3 |
6 5 |
( 12 HCP ) |
―― 自分が 3 枚持っている場合には,残りは 13 − 3 = 10 枚です。
この 10 枚が 三人に均等に分かれているとすると,(5枚持っている人はいないので) 1
オーバーコールは無いでしょう。
結局,最初の三人がパスした状況では,より多くの HCP と より多くのスペードを持っている側が得点する可能性が高いのです。
A J 6 5 3 |
4 2 |
J 8 7 |
A 7 6 |
( 10 HCP ) |
―― いいえ,そうではありません。それでは 考え方が逆です。
さっきも説明したように,ルール オブ 15 というのは,寝た子を起こさないための判断基準です。
もちろん,それ以前の問題として,まともにオープンできる手でなければいけません。
まともにオープンできる手でオープンしたときに,それが 寝た子を起こしてはいけない … そのための判断に使うのが,ルール オブ 15 です。
A J 10 9 6 |
4 2 |
K 8 3 |
K 7 6 |
( 11 HCP ) |